余韻の残る、美しい作品でした。
ある夏、離れて暮らす、兄妹たちが母の誕生日に、美しい庭に集います。
幾重にも重なる緑。思い出が詰まった家と庭。
胸が熱くなります。
言葉は要らないですね。
時は過ぎ、母の亡き後、邸宅にはアールヌーヴォーの家具、
価値ある絵画に彫刻に花器、
素晴らしい美術品があるものの、3人の子供たちには、
相続税という現実的な問題が重くのしかかります。
淡々と進んでいく物語が切なくも潔くて、
ただただ傍観者として、
思い出の品たちの行く末を見守るしか出来なかったのですが、
物語は救われるような結末を迎えました。
昔観た、『マイセン幻影』。
美術品の収集つながりで思い出しましたが、
これも素晴らしい映画でした。