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まず、『つぐない』から。文芸作品の映画化は元々好きですが、久しぶりに好きな雰囲気を持った作品に出会えました。 タイプライターの無機質な音が、物語にいとも効果的に緊張感を与えていました。前半の舞台となる、瀟洒な大邸宅、絵画のように美しい庭園、繊細で優美な衣装、どれをとっても素晴らしく、作品の格を一段とあげていたように思います。 キーラ演じるセシーリアがたまらなくセクシー。本当は妹役のブライオニーを演じる予定だったそうですが、セシーリア役を演じたことによって、キーラの魅力が炸裂。有無を言わせぬ圧倒的な美しさでした。彼女はクラシカルなスタイルや退廃的な表情が本当に映えます。 このグリーンのドレス姿、目に焼きついて離れません。えもいわれぬ美しさ。図書室でのラブシーン、薄明かりのなか、このグリーンとブレスレットのシルバーの鈍い輝きが、セシーリアの秘めた情熱を盛り立てていました。 物語の詳細はネタバレになるので控えますが、時代背景や身分の違いなど、様々な要素が絡み合い、時系列も複雑でない程度に構成され、かなり満足度の高い内容でした。 それにしても、衣装にうっとり♪溜め息ものでした。セシーリアは言わずもがなで、妹のブライオニーが冒頭部で着ていた白のワンピースも、彼女の持つ純潔、残酷さ、嫉妬心、それらすべてをあらわしていて素敵でした。使用人の息子ロビーが普段のカジュアル姿(これがまたいい!)から、正装姿のタキシードで現れるところ、セシーリアの兄や友人の『華麗なるギャツビー』を髣髴させる、白を基調にした衣装も完璧でした。そして、ブライオニーのネックレス・・・。 エンディングも賛否両論ありそうですが、わたしとしては、「あり」だと思います。シンプルに終わらせた分、余韻が残りました。 シルクはずいぶん前に観ましたが、内容的にはかなりがっかり・・・、映像、音楽はとても美しく、その点では楽しめました。エレーヌの可憐で儚げな雰囲気をキーラがとてもよく表現していました。それから、大好きな中谷美紀、衣装が素敵でした。発音も綺麗でした。 ただ、俳優陣がこれだけ豪華だし、物語の発想もすごく面白いのに、チープな仕上がりになっているのはなにゆえ? ひとりひとりの演技は素晴らしいんです。でも、熱演であればあるほど、観ているほうは白けていきました。不思議です。 余談ですが、グリーンのドレスで、ずっと心に残っているのは・・・。 ジュリアン・ムーアが、2003年アカデミー賞授賞式で着用していたこのドレス。(写真左) 彼女の落ち着いた佇まいに似合っていました。ジュエリーも美しかったです。 この美しさの調和を上回るものは現れないだろうと思っていたけれど、 『つぐない』のセシーリアのグリーンのドレスはこれを超えたかも・・・。と思わせてくれました。 【追記】 セシーリアのブレスレット。たぶん、CHANEL。
by ruschka
| 2009-04-01 22:41
| 映画とドラマ
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